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浮き上がる意識を感じながら、
思いまぶたをあけると、
最初に見えたのは、
ぼんやりした白い世界だった。
「?」
顔に違和感。
重い手をなんとか動かし、触ってみると、
(酸素マスク?)
どうして?
まだ混濁する意識の中、自分がどうして寝ていて、
酸素マスクをつけられているのか分からない。
記憶を辿っても、記憶の糸をたぐる気力が途切れる。
(まだ…眠い…。私は…私は…葉月[はづき]。うん、大丈夫。)
うつらうつら、それだけ確認して、
現実と夢の狭間の波の上に、ただよう。
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