1.目覚めたら

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浮き上がる意識を感じながら、 思いまぶたをあけると、 最初に見えたのは、 ぼんやりした白い世界だった。 「?」 顔に違和感。 重い手をなんとか動かし、触ってみると、 (酸素マスク?) どうして? まだ混濁する意識の中、自分がどうして寝ていて、 酸素マスクをつけられているのか分からない。 記憶を辿っても、記憶の糸をたぐる気力が途切れる。 (まだ…眠い…。私は…私は…葉月[はづき]。うん、大丈夫。) うつらうつら、それだけ確認して、 現実と夢の狭間の波の上に、ただよう。
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