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〔なんですかその言い方。またわたしの真似ですか?〕
〔あら、わかりやすくしたつもりなのに、まとめ方あなたと被っちゃったぁ。失敗しちゃったわぁ。これじゃきっと半分も伝わらなかったわねぇ〕
〔何ですか? わたしの言い方に問題があったって言うんですか?〕
〔せっかくバカのために遠回しに指摘してあげたのにぃ、直接言い直すようじゃ配慮が足りなかったようねぇ〕
〔何を賢こぶっているんですか! どうせ猿真似するぐらいしか能のないくせに!〕
〔あら、それは『私は猿にでも簡単に真似されてしまう程度の天使です』って自白しているのかしらぁ?〕
〔なんですか?〕
〔何よ~!〕
「おいっ! 絶対に暴れないという約束だろうがっ!」
俺は掴み合いそうになっている二人を制する。
しまった。勢い余って、普通に乱暴な言葉を使ってしまった。
今の態度で2人のどちらかの逆鱗に触れてしまったかもしれないので、2人がまだ互いの殺意を鞘に戻す間、消滅させられる前に頭を下げる。
「失礼しました」
それにしても意味がわからない。
なぜ天使と悪魔が同じこの空間に存在しているんだ?
それに、どうして天使と悪魔が両方とも美人な女性なんだ?
それも意味がわからない。
意味がわからなすぎて、先ほどの異次元レベルの戦いを見ていなければ問答無用で家から叩き出しているところだ。
しかし、その次元の違いを目で見て、肌で感じてしまったため、無下に否定してしまうこともできない。
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