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〔もし呼びにくいというのであれば、小井沢祭さんの好きな愛称で呼んでください〕
「わかりました。う~ん……」
天使から許可をいただいたため、俺は彼女の呼び方を考える。
正直、教えてもらった名前は、長くて覚えづらいし呼びずらい。
先ほど彼女に言ってもらった名前を、俺はもうすでに半分ほど忘れかけていた。
シャ…ぶ?・エ…ぬバライ・スラいまー? だっだか?
いや、違う。
シャ…る?・いぐバライ・スラいたー?
これも何か違うような。
シャ…ん・えいぶラん……
………………。
「それじゃあ『シャラ』はどうですか?」
〔はい。わかりました〕
シャラが笑顔で元気よく返事をする。
俺はこの愛称を気に入っていただけたという安堵と、名前をほとんど忘れてしまった罪悪感を胸に、話を進める。
「それでシャラ、天界って何です?」
〔天界とはこの世でお亡くなりになった方の中で、生前に善行を積んできた方のみ逝くことのできる世界です。この世では天国、楽園とも呼ばれているところで、皆が幸せを感じて生き続けることのできるシステム、設備、法律が整っています。天使はその天界での生活の中で労働を希望した方のみなることのできる役職であり、天使となった者のみ『天使』と名乗ることが許されます。界神様はその天界を治めまとめている、この世で言う首相や王様ようなものです〕
はぁ~、なるほど。
謎が色々と解消されたところで、次は悪魔と名乗る方に話を振った。
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