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「それじゃあ、次は悪魔さん、詳しい自己紹介をお願いします」 〔わかったわよぉ。もぉ~仕方ないわねぇ〕  自称悪魔は休暇中に掃除をお願いされた父親のようにかったるそうな声でそういうと、女の子座りに直し、だらけきった様子で自己紹介を始める。 〔わたしは魔界から来たのぉ。名前は『ロース・プルリエント・レチェリー』。魔王様の下で働く一下僕よぉ。仕事内容は、この世界で言ったら秘書に近いのかしらねぇ。あと、恋人とかそういう関係になってくれる人募集中よぉ。その気になったらいつでもぜひ来てねぇ〕  けだるそうにしているようだったのだが、彼女のスタイルやキャラなどと相まり、それは官能的な雰囲気を醸し出していた。  俺は少し心臓をドキドキさせる、しかし…… 「ロー…る?・プリ…エンた?・れ、レチェリー? さん?」 〔『ロース・プルリエント・レチェリー』よ。それに『さん』なんて他人行儀に呼ばないでちょうだい。敬語も必要ないわぁ〕  悪魔はシャラと同じく、そんな注文を付ける。  いや、だから……敬語なのは、機嫌を損ねて家潰されたら困るからです!  敬語は、安全と判断したときにやめさせてもらいます!  けれども俺は、先ほどと同じ壁にぶつかっていた。 「ローる?・プルリエ…… う~ん、あなたの方もなかなか覚えられそうもないです。何か呼びやすい愛称とかないですか?」 〔それがねぇ。生憎、魔界にも愛称という概念が存在しないのよぉ〕  俺は再び頭を抱える。 「それじゃあ、俺が好きな愛称をつけて良いですか?」 〔いいわよぉ。でもできるだけ、可愛い名前にして頂戴ねぇ〕  おかしな注文をつけら苦笑いを浮かべつつも、俺は彼女の愛称を考える。  名前は確か、こーる?・プリ…エいた?・えチェリー?  いや、ほーむ?・プるリ…エいた?・ねチェリー?  ………………。 「それじゃあ『プエリー』なんてどうですか?」 〔……いいわよぉ。それにして、あ、げ、る〕  プエリーが陽気に微笑む。  どうやらこちらも、俺の愛称を気に入っていただけたようだ。
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