神様！ どうかこの望まぬ形のラブコメにそれなりのハッピーエンドを！！〔２〕

６．

　愛称が決まったところで、俺は先ほど天使にした質問と同じような質問をした。

「それでプエリー、魔界って何ですか？」

〔……あのねぇ。天使と天界の説明を詳しく聞いて、悪魔と魔界という言葉を聞けば、なんとなく察しがつくと思うのだけど、それでも説明いるかしらぁ？〕

　安直に言ってしまったために、プエリーにバカにされてしまった。

　俺は言葉を変えて、尋ね直す。

「いや、そりゃ俺だって薄々は察しているですけど、その想像が本当に合っているかどうかを確認する必要があるので」

〔……そうねぇ、まぁいいわ〕

　悪魔は軽やかにそう言うと、説明を始めた。

〔魔界はこの世で滅された人の中で、善行などというくだらない偽善やしがらみを乗り越えて欲望のまま生き抜いてきた英雄たちが逝くところよぉ。この世では地獄や無法地帯とも呼ばれているけれど、そんなに酷いところではないわ。変なルールや法律で縛られたりせす、それぞれがそれぞれの意思で生活できる、自由が大いに尊重される素晴らしいところなのぉ。来た人は皆、人間より性能が遥かに優れた魔の姿をもらえて、自由に悪魔や魔族を名乗ることが許されるわ。魔王様はそんな魔界を束ね取り仕切っている、この世で言う天皇や法王のようなものかしらぁ〕

　ほぉ、なるほど。

　俺は２人とも説明がわりと上手だったおかげで、なんとなく２人の存在と来た世界のことを理解できていた。