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抜かれずに残ったヘリ、つまり、選ばれなんだ部分は、新たにこねられた生地と混ぜ合わされるわけだが、もちろん、この新しい生地にも、すでにワシらの仲間は混入されており、こねくり回されたり、伸ばされたりして、この時に出会いというものが生じるわけだ。 みんな若い奴らばかりだよ。 ワシのような老いぼれなど、一粒もおらん。 選ばれた奴らは年長のワシを残して、ここを去っていく。 窯で焼かれた奴らが、一つ一つ大事そうに袋に包まれ、箱詰めされていくのを、ワシはいつも横目で見る役ばかり務めておる。 ここには、年功序列なんてモンは存在せん。 選ばれるか、選ばれんかの確率は、ほぼ半分のはずだ。 しかしなぁ、いくら何でも四十年というのは、自分でも長いと思うよ。 今のワシにあるのは、劣等感とか、後ろめたさばかりだよ。 周りはみんな変わっていくのに、ワシだけがいつまで経っても変わらんのだからなぁ。 ん、また始まるようだ。 ワシらを含むヘリが丸められ、新しい生地と混ぜ合わされ、平たく伸ばされ…… 同じ繰り返しだ。 時々、思うんだがね。 この運命が神の思し召しだと言うんだったら、ワシに明示されたモンって、いったい何なんだろうかってね 。
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