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好きでは表せきれない感情だった。 一目見て好きになったのでない。 第一、彼は男だし、 僕は、ノーマルで、女性が好きだ。 あのライブ会場の溶かされそうな程の熱気に 浮かされていたのかもしれない、 これは流されてしまったのだと、 一瞬の勘違いだと、 目が覚めたら、どれだけ楽だろう。 彼から発される全てに 彼そのものに 心を奪っていかれた。 いや 僕そのものを連れていかれてしまった。 圧倒的な存在に出会ってしまったとき。 雷に打たれるどころではない。 魂どころか、全て、まるごと。 僕は拐われた。
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