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「特殊部隊が向かっているが、間に合わない可能性が高い。全力で阻止しろとの命令だ」
戦闘のプロは月島だけだが、最終本土決戦兵器は手中にある。それを開発した専門家もいる。
「行きましょう」
中島の研究室を目指し、所長のIDで扉を次々に開けていくが、途中で進めなくなった。
「中島の仕業よ。あいつ、こういうの専門だから」
城山は研究者として中島のことを知っているようだった。このセキュリティのブロックのせいで、全館退避を指示しておいたにも関わらず職員の避難が進んでいない。
「破壊して進みましょう。瞳ちゃんのレーザーで」
「許可する、やってくれ」
「瞳!」
無言で頷くと、瞳は月島の胸に飛込んで抱きしめあった。
「起動した!みんな下がって」
頭上の衛星が建物内部にいる瞳の位置を正確に把握する。
「キョロリン!お願い!」
ピンポイントに絞られたレーザーが研究所を撃ち抜く。目の前の扉は消失した。
足元に地下まで貫通した穴を覗き込む。幸い犠牲者はいないようだ。穴を飛び越え先に進む。
やがて、巨大な黒い鋼鉄の鎧が聳え立つ広間に出た。なぜか避難するはずの大量の職員たちもいる。
「中島の自律戦闘ロボット、冥王!」
「なんでみんなここに集められてるの!」
冥王の前には中島が立っていた。
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