深海から見上げる夜空

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 そう言いながら城山が最後のゲートを開く。そこはドームの内部だった。  「何ですか!これは!」   そこにあったのは、台座に固定された古代の女神像のようなものだった。その姿は人の様でもあり、爬虫類の様でもあり、グロテスクな印象を受けた。それに、海底にでも放置されていた様な汚れ具合。  「数年前深海潜水艇が、マリアナ海溝最深部から持帰った最高機密。超古代文明、或いは地球外文明の遺跡」  「超古代?地球外?」  「封印された神の力。何者かが、人類の手の届かない場所に投棄した古代兵器。桜弐号とは、そういうものなの」     その像は、人類が石器を使い出した頃に作られ、現代の人類の文明を遥かに超えていた。すぐに、各方面の最高の頭脳が集められたプロジェクトチームが結成された。  テクノロジーの解明は難航し、プロジェクト初期は考古学者たちによる類似した古代遺跡の伝承からこれの使い方を推測する作業が中心となった。そうやって像の土台部分に記された記号と古代の文献を照合し、何とか方角を合わせて設置したのが今の状態だった。     
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