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「埋め込まれた照合装置は無理に体内から取出せば壊れ、あなたが生きている状態の時にしか機能しないようにしてあるわ。だから、万が一、瞳ちゃんとあなたがセットで敵国に捕らわれるような事態になったら、あなた、死になさい」
月島は一瞬返答に詰まった。
「衛星を動かせる状態で敵に捕まった場合、言うことを聞かせるためにどんな目にあわされるかは容易に想像がつくわ。あなたが死ねば、用済みになった瞳ちゃんも殺されるけど、拷問はされずに済むわ」
「わかりました、絶対にあの子を守ります」
月島はドーム内に聳え立つ像を見上げた。この像は、永い間海底から夜空のどこかにある衛星を見上げていたのだ。その力は神か悪魔か、これから自分の肩にかかってくるのだ。
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