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桜弐号出動
本当に簡単な手術で照合装置を埋め込まれた後、月島は自分で歩いて城山の研究室に戻ってきた。
「この子自体が最高機密だから、文書で渡せるのは日常の取扱だけ。一応、高校に籍を置いてるから可能な限り通わせてあげて。あとの重要なデータはシンクロに関すること。健康状態、精神状態、苦痛、快感、ここで一緒に生活しながらあらゆるデータを蓄積したから。これは指定された防衛省の施設からあなたのIDでアクセスして確認して」
「あと、埋め込まれた装置の使い方ですが」
「そうね、照合装置の動作確認をするから、二人ともこっちに来て」
月島と瞳は城山の前で向かい合った。
「照合装置は瞳ちゃんの心臓を近づけると作動するはずよ。もう少し寄ってみて」
一歩ずつ間を詰めていくが、照合される様子が無い。
「それ単体では普通に照合してたのに、人体に埋め込むと感度が落ちるのね、とにかく反応するまで寄って」
さらに間隔を詰め、瞳の胸が当たり、顔がついてもまだ反応しない。
「もっと引き付けて」
仕方なく互いに背中に手をまわし、抱き寄せる。
「あっ!起動しました」
「よかった、何とか使えるわね」
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