桜弐号出動

2/4

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
 「でも、城山さん!すごい密着なんですけど」  瞳は耳まで真っ赤になっている。  「仕方ないわ、あなたの羞恥心のためにまた何兆円も使うわけにいかないもの、二人とももう離れていいわよ」  慌てて二人は手を離す。  「衛星を使う時はその都度恋人同士を演じればいいのよ。誰も最終兵器を起動してるなんて思わないから、かえって好都合だわ」    月島と瞳の新たなた生活の場所は、民間のマンションの一室だった。警護の都合上基地内に居住することも検討されていた。しかし瞳は最終兵器である以前に未成年の日本国民であり、学校に行かせなければならないことを考えて普通の環境が用意された。  月島の任務は有事に備えて常に瞳の近くにいる他、敵国の工作員による誘拐や暗殺への警戒、実験を兼ねた桜弐号運用訓練などを行う毎日になった。空挺部隊で実戦に参加した月島にしてみれば退屈な生活だったが、桜弐号が実際に使用されるのは国家の存亡を左右する時であり、その責任は重過ぎるとも感じていた。     
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加