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「それで、明日からどうすればいいの?」
瞳は精一杯気丈に振舞っている。一日も早く任務を完了して日常に戻してあげなければ。
「研究所にスパイがいる」
「えっ?」
「容疑者がいるのは城山さんの研究室じゃない。他の部署の研究員だ。まだ決定的な証拠は無く何を狙っているのかも不明だ。しかし、研究所最大の機密である像と桜弐号の情報は絶対に守らなければならない。あまりにも高度な機密事項に関する任務なので、我々に直接指令が出た」
「その容疑者を監視するのね、キョロリンで」
「研究所の職員に顔を知られているから、基本的に隠れて情報収集を行う。逆に瞳の定期健診で研究所に入れるときはチャンスだ。もちろん、この件は所長にも城山さんにも秘密だ」
「わかりました!」
瞳は月島に敬礼してみせた。
「私の、上官ですよね」
そうだ、責任重大だ。何があっても瞳を守らなければ。
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