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「いや、プリンなんか知らね~よ。」
「じゃあ、誰が食べたんだよこのプリンをよ……」
それでも言い訳をするので、僕は冷蔵庫からプリンを見せて言った。綺麗に半分だけ食べられているプリンが一瞬だけ芸術的に見えた。
「あっ!」
加藤はついこぼれたように一言発すると突然、目を合わせなくなった。プリン現物を見てやっと気づいたようだな。恐らくこの反応から察するに加藤はこのプリンを自分が買ってきたと勘違いしたのだな。
「では、もう一度聞く……このプリンを食べたのはお前だな?」
「すまない……そのプリンは俺が食べました。」
冷や汗をかいている。おおこれは……
謝ってくれたし、反省の色が見えるからこの辺で許してやることにするか。
「まあ、あれだろ?」
「このプリン、自分が買ったと勘違いして食べてしまった。自分が買ったものと思っていたからこそ、半分だけ残していた。僕の推理はあっているか?」
「ああ。その通りだ、すまない。」
ビンゴ~~僕の推理通り。
やはり2年も一緒に生活しているんだ。
加藤のことは全てお見通しだ……
加藤は罪悪感からか、500円を僕に払うと
そそくさと自分の部屋に戻った。
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