第1章

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「アナタを愛してる、半分だけ……」 彼女に言われた最後の言葉だ 俺、小林勝吾は人生に疲れている28歳の独身男だ 三流大学を卒業して営業マンになったが、成績不振や上司からのパワハラで1年もしないうちに辞めた 上手く就職した奴等を横目に求人情報を漁り、生活費を稼ぐ為にアルバイトを転々とし、今はパチンコ店で働いている 時給はいいが、客からのクレームやら愚痴やらで中々に疲れる仕事だ ここで働きだしたのには理由がある 付き合っていた女に騙されて借金を背負ってしまったからだ 冒頭で俺にそんな言葉を言い捨てて、俺の元を去った女だ 返済に追われる毎日から一週間前に解放されたばかりで、幾分か気持ちは軽くなってきた
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