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やがて三途の川の川下から、黒い船が近付いてきた。
乗っているのは船首と船尾と中程に一人づつ、それぞれ頭から下半身にかけて真っ黒な物を身に着けている。
(なんだ……赤鬼とか青鬼とかじゃないんだ……。まるで洋画に出てくる悪魔だな……)
その船が桟橋に着くと、船の前面が開いた。
すると、また頭の中で、
『その船に乗れ』
仕方なく吉田は、他の者たちと一緒に乗り込んだ。
その時、吉田は、
(家に残してきた河豚の半分……もったいないな……。どうせなら全部食べてから死にたかったな……)
と思っていた。
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