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僕の前の席の人も後ろの席の人も両隣の席の人も、クラスメイトみんなが僕の敵だった。
僕は毎日帰りに山田達の荷物をもたされ、それぞれの家まで運び、少ないお小遣いをゲーセンで使われ、手元にはなにも残らない。挙句の果てには、僕が毎日母親からお昼代として貰っているお金さえも、山田達の食欲を満たすために使われる始末だった。学校で昼に食べられるものと言ったら山田達が施しとしてくれる、パンの欠片やおにぎりの海苔だねだった。
部活にも入ってないのに帰りが遅い僕を、母は当然毎日のように心配するが、僕は……。
「あーごめんごめん。友達と遊んできたよ」
僕を育てるためにシングルマザーで一生懸命働いている母には、そう明るく振る舞うことしかできなかった。だから、毎日家の玄関を開ける前に、必死で作り笑いの練習をしている。
そんな日々を毎日のように繰り返している。
そんなある日の放課後。
今日もまたいじめられるんだろうな、そう思っていたが今日はいつもと違かった。
いつものように帰りのホームルームが終わると、山田達のグループは担任の釜田先生に呼び出された。僕は後ろの席からその様子を見ていた。
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