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「おい!!どうせおめぇだろチクったのよ!!」
山田は凄い剣幕で迫り、僕の胸ぐらを掴みいった。
僕じゃなかった。山田達が怖くてそんなこと言えるわけもなかった。そしていじめのことを母親に知られることも怖かった。
しかし、それを話しても山田はまったく聞く耳をもたない。
やがて、山田の怒りは頂点に。どんどん自分の顔が腫れていくのが自分でも分かった。最初、山田の拳を受けた時は、物凄い痛みを頬に覚えた。しかし何度も殴られ続けるとその痛みの感覚は麻痺していった。これが"殴られる"ということなのだろう。
しばらくすると気が晴れたのか、山田は掴んでいた胸ぐらから手を離して僕から離れた。僕はその衝撃で地面に崩れ落ちた。意識は朦朧としていた。
そして、山田は息を切らしながら
「これからもよろしくな」
とそう言い残して僕の元を去っていった。
そして、次の日。
今日もいつものように退屈した授業が終わり、帰りのホームルームが終わった。
山田以外のグループだったメンバーは、みんな山田を怖がるようにしてそそくさと帰っていった。
斜め前の席にいる山田がふいにポツリと吐き捨てた。
「くそ……あいつら怖気づきやかってよ……」
そして、さらに。
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