傷灯 - 消灯の時 -

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 ある日の彼女宛に届いた封書は、当選通知。 最近、世間で注目の的となっている、世界で10名にしかチャンスの来ない宇宙旅行に彼女が当選した。 彼女は今にも浮きそうなほど軽く、そして一瞬で溶けていく綿飴のようにポワポワと喜んだ。 そんな柔らかい顔をする彼女を見て、僕もほろ酔いしたかのように、人知れず心が躍った。 そして彼女を心善く送り出した。 でも、もっと冷静に判断するべきだった。 僕は甘過ぎた。
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