6/6
前へ
/7ページ
次へ
「怠い」  僕に戻ったら何時も起こる事。意識が戻るまでに人間の血が僕の体を満たしたのだけど、それでも目覚めは最悪と言っても過言ではない。  貧血気味。  体が重くて仕方がない。  だから僕はいつも地面に座り込んで回復を待つ。  人間の血が体を満たし、正常に循環しだすまでどこかで休む。  今回はちょうどコンクリートの壁があったので、背中を預けてふぅと息を着いた。 「三日月か」  切り取られた狭い空間で、狭い世界で、空と大きな星を見る。  ここなら何だか捕まえられそうな気がした。  僕もいつかアイツのように――――
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加