11.ラブ・スタンバイ

そうこうしているうち、
お尻に硬い何かが当たる。

一瞬、ビクッとしたのが分かったのか、
ナカダ氏はそれを擦りつけるかのように
腰を浮かせて軽くグラインドした。

「リナ、やばい。もう一回するぞ。
俺の部屋に戻ろう」
「へ？だってもうウチに戻らないと、
って、やだ耳を舐めないでッ」

…なぜだ。
なぜ奴らは平然としているのだ。

黄色なんか私に煎餅を薦めてきやがった。

そうじゃない、そうじゃないんだ。

『おいおい成道！イチャつくな』と、
『お前たち、いい加減にしろよ』と、
どうして注意してくれない？

スルーされ過ぎてて、
怖いくらいなんですけど。

「リナ、言うことを聞かないと、
ここでやり始めるぞ」

返事をするヒマも無く、
その手が服の中にスルリと入ってきて、
乳頭を捏ねくりまわす。

「ああああんっ」

…シーーーン。

思わず漏れた喘ぎ声に、
一瞬だけ訪れた沈黙。

…ガヤガヤガヤ。

しかし、すぐに賑わいを取り戻す。

「リナ、やっぱり今日は泊まっていけ。
こんな不完全燃焼で俺を置いておくと、
浮気しても文句言えないぞ」

その悪魔のような提案に、
渋々と従うしかない私。

なぜかレミも残ると言い出し、
結局我らは中田家で
新年２日目を迎えることとなる。