遭遇と独占欲

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「改めて、先週はありがとう。あのあと反響を聞いたら、かなり好評だったよ」 オーダーを済ませると、まずは香子に先週の礼を述べた。 「あ、セミナー?良かったわ。佑人の顔に泥を塗らないか、正直不安だったのよ」 料理より先に飲み物が届けられ、軽く乾杯をする。 「ああ、美味しい」 香子は一口ビールを飲むと、リラックスした様子で僕に微笑みかけた。 先週よりラフな服装で、彼女が喋る度、広く開いたニットの胸元でしなやかな髪が揺れる。 美容業界で磨かれてきただけあって、香子は十年前よりさらに魅力を増し、自分の見せ方も似合うものも心得ていた。 まだまだ彼女には新しい相手が現れるだろう。
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