遭遇と独占欲

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「では」 悪口上等。 お持ち帰りを阻止できれば僕の目的は達せられたのだ。 さっさと背を向け歩き出す。 ……が。 二、三歩進んだところで、僕の足がピタリと止まった。 待て。本当にこれでお持ち帰りを阻止できたのか? 今さら好感度を上げようなどとは微塵も思っていない。 しつこさ全開で振り返った。 「帰ったら僕にメールを入れて。二次会、寄り道禁止で」 これでよし。 念には念を入れ、ようやく得心がいった僕は個室席へと退却した。
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