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二つ折りのカードは、表側に紋章を思わせる刻印がプリントされている。
そんなカードを、鈴音は思わず開いて中を読んでしまっていた。
《明後日。こちらの蔵に収蔵されている当家のお宝を頂戴に参上いたします。怪盗 ネズミ三世》
一見すると、何かの悪ふざけのようにも思える文面。しかし鈴音は、これを非常事態と判断し手にしたホウキを放り出し母屋へと小走りで向かった。
これが、この屋敷を舞台とした事件の始まりであった。
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