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羽生の言う通り、酒々井家とは県内でも有数の資産家である。元は千葉市内では無く、印旛郡酒々井町の辺りで会社を興し。代々の社長が、会社を成長させていったグループ企業である。
ただ中学生の羽生が、その企業の会長の名を知っているのは、些か不自然な話しであった。それ故、その姉の三郷がその会長と知り合いである筈もない。
しかし三郷は、少しも言い負かされた感を出さず。勝ち誇った顔で、羽生に対し言い返した。
「私を、誰だとも思ってるの? 超有名美少女名探偵の春日部 三郷よ、そのくらいの人脈があって当然でしょ」
「あのさ、姉ちゃん。自分で、超有名とか美少女とか言わなくていいから」
「うるさいわね。でも私のSNSのフォロワーが、十万人を超えてるのは知ってるでしょ」
「あぁ。ちょいちょい、僕に代筆させてるアレだろ」
「それも、うるさい。酒々井 徳茂さんは、そのSNSのフォロワーの一人なのよ」
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