彼女のための選択

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「条件を確認していきます」 ハンカチを握りしめて判決を待つ正面の青ざめた顔に、まず一つ目を告げる。 「まず、第一項目。退職ではなく解雇となります。重犯ですから」 「はい……」 堀内嬢は震える声で答えて項垂れた。 「経歴に傷がつくことになり、再就職の障害になることもあるでしょう。これは事の重大さを自覚し、戒めとして今後も忘れないで頂きたいからです」 「はい……」 それから、他の条件と解雇に関わる項目を順に確認していった。 正式な書類は後日人事部と確認・捺印すること、翌日から出勤停止となることも告げた。 受付仲間は当然訝しく思い、心配して彼女と連絡を取るだろう。 本当のことを打ち明けるにしろ、その場しのぎの嘘でこまかすにしろ、彼女にとっては様々な屈辱があるはずだ。
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