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一通り確認を終えると、僕はもう一つ、書面には記載しない非公式の条件を口にした。
「それともう一つ。宮田健吾と一切の縁を切って下さい」
堀内嬢は黙ってハンカチで目を拭った。
「社則上は被害者として扱われませんが、あなたが情報を抜いた社員たちも実質的には被害者です。あなたの行為のせいで、彼らにも処分が下されますから」
それまでじっと項垂れていた堀内嬢が顔を上げた。
「東条主任もですか……?」
彼女の問いには触れず続けた。
「我々が望むのは制裁そのものではありません。あなたが更正し、まっとうな道を歩むことを願っていることを覚えていて下さい。そのためにはまず何が必要かも。正しいプライドを持って毅然と行動して下さい」
「はい……」
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