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時計を見ると、予定の二時間を迎えるところだった。
外はもうとっぷりと暮れている。
多くの女子社員は退社し、女子更衣室で泣き腫らした顔に好奇の視線を浴びることもないだろう。
「今日はこれで。後日、最終確認のためお越し頂くことになりますが、時間はまた夕方になると思います。人事部より詳細をご連絡します」
机の上を片付けて出口に促すと、堀内嬢はためらいながら立ち上がった。
会社の華から一転、罪人確定となった今は、廊下を歩くのが怖いのだろう。
「もう女子更衣室は空いているはずです」
ドアを開ける前に言い添えると、彼女は気遣われるとは思っていなかったようで、驚いたように僕を見上げた。
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