彼女のための選択

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「やれやれ……」 急に疲れを覚え、ため息と共に椅子に腰かけると、人事部課長がニヤニヤしながらこちらを見た。 「どうでした?」 「認めましたよ」 「泣いたでしょう、彼女」 「まあ、女性はそうなりますね」 「美人の涙かぁ。グッとくるでしょうねぇ。彼女、綺麗ですからねぇー」 「……」 まったく、やれやれだ。 どうしてこんなオッサンが人事課長なのか、この会社の行く末が心配になる。 課長のニヤニヤはそれきり無視し、早速調書の作成に取りかかった。
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