皆川編第12話 ｢彼女のための選択｣

彼女のための選択

営業の男は茨城情報で漏洩元であることが立証されてしまったため、言い逃れはできない。

情報の漏れ方もお粗末で、堀内嬢が質問するとすんなり答えることが多かったという。

男にしてみれば、高嶺の花の彼女にいいところを見せたかったのだろう。

あとの一人も同じく、自室の机に資料を開いたまま置いていたらしい。

こちらは本人を聴取した上で処分を決めるのが妥当だが、二人とも厳重注意にとどめ、降格までは必要ないのではと思う。

噂はどこからか回るもので、それだけでもかなりの制裁だ。

呼称が変わる降格などで晒し者にする見せしめ処分は本人のプライドとモチベーションを挫く。

人事考課に傷がついたことは本人と上司が知るのみにとどめ、その後の本人の姿勢如何で必要があれば時期を見て配置転換するのが良いと思う。