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明確に言える一つ目は、東条を庇うために、フェアではない手段をとったこと。
営業部には茨城と明記した資料を流したのに、東条には情報のみで、資料を出さなかった。
堀内嬢が彼から情報を盗むリスクを減らすためだ。
東条がすでにリークに気づき、守りを固めていることは知っているが、この罠を仕組んだ時はまだ確信には至っていなかった。
万が一にも記事に「千葉」と出れば東条の黒が確定してしまう。
それを避けたかった。
人事部はこのことを僕に一任しており、僕個人の所業だ。
犯人が特定できさえすれば一件落着で片付けられ、その手段がフェアだったかどうかなど後から蒸し返されることはない。
でも、仮にフェアにやったとしても結果は同じだっただろうが、僕は自分がルールを破ったことをなかなか受け入れられなかった。
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