これが君との最後なら

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表情は苦々しいのに、彼女の身体は僕に従順で、柔らかな感触で僕を絡めとる。 唇はもっとそうだった。 おずおずとした動きがかえってなまめかしく、甘い息で僕を深みへ誘う。 我を忘れそうで、少し深くなりかけたところですぐに僕は身を引いた。 「もうすぐバトンタッチですね」 その言葉は自分に向けたものだった。 彼女はもう十分に魅力的だから、レクチャーなんて必要ない。 本当は最初から必要なかった。 わかっていたのに、僕は──。
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