これが君との最後なら

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「そうですか……」 社交辞令の誘いではなかったらしく、二人は少し落胆した表情になった。 「声をかけて下さってありがとう。また機会があれば今度は是非。今日は楽しんできてください」 二人に笑顔で礼を言ったが、僕の仕事はあとわずかで終わるので、“またの機会”はないだろう。 僕のような短期のコンサルティング業務に携わっていると、継続的な人間関係とはあまり縁がない。 まるで人混みですれ違うような、こうした淡白な別れの連続だ。
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