これが君との最後なら

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机を片付け、空き缶を捨てに廊下に出た時、はるか前方の給湯室から背の高い男が出てくるのが見えた。 遠目でも目立つ容姿は──東条だ。 東条には連れがいるらしく、給湯室の出口で後ろを振り向いた。 それまで話し込んでいたのか、まだ話し足りないように立ち止まり、二言三言告げている。 相手は女性だ。 何か小さなものを胸に抱えている作業着の手が見える。 頷いているのだろう。時おり横顔と髪もちらちらと揺れて見え隠れしている。 それが誰かはすぐにわかった。 東条を一心に見上げる女性は、僕が今から会おうとしている人だった。
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