第十章

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「ただし、どんな方法でも事前に所属長にというのは難しいと思います。多くの管理職は部下の不祥事を揉み消そうとしますから。今回は真摯に協力頂き、非常に助かりました」 僕が喋っている間、東条は押し黙って聞いていた。 僕が今回のことに最初から最後まで深く関わっていたことをこの場で知り、何とか消化しようとしているのかもしれない。 今晩のセミナーまでに東条が彼女に語るかどうかはわからない。 あと数時間後。 彼女はどんな目で僕を眺めるのだろう。
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