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会場のホテルに着いたのは、懇親会が始まってから一時間が過ぎてからだった。
東条の聴取のあと、向かったクライアント先での打ち合わせが予定をかなりオーバーしたせいだ。
懇親会が行われているボールルームは、もうすっかり名刺交換会の様相を呈している。
会員企業の担当者たちは料理もそこそこにリストから目当ての相手を探し、面繋ぎに余念がない。
彼女の姿を目の端で探すと、奥のテーブルで東条と一緒にいるのが見えた。
一休みしていたのだろう。
やがて彼女は東条に誘われるように腰を上げ、どこかの企業担当者にアプローチすべく動き始めた。
東条のリードがあれば僕が心配することはない。
すぐに話しかけられた僕は彼女を頭から閉め出し、名刺交換に応じた。
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