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眼鏡を外してサイドテーブルに投げ出し、無言で横たわる彼女に被さる。
暗がりでも、廊下から差し込む明かりで、彼女の目がじっと僕を見上げているのがわかった。
身をかがめ、唇を重ねる。
重ねながら徐々に体重をかけて彼女と密着すると、彼女の腕がおずおずと背中に回された。
二人の隙間に手を差し入れ、肌と曲線の感触を味わう。
ふくらみを覆う薄いレースをずらしてその下の肌を手の中におさめると、重ねた唇から甘く乱れた息が僕の中に吹き込まれてきた。
手のひらにこすれる柔らかく尖った感触が僕の頭を麻痺させて、ネクタイを引き抜くのももどかしく、天国とも地獄ともつかないそこにのめり込んでいく。
その時だった。
「明かりを点けて下さい」
僕の下で、彼女が囁いた。
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