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「なぜ皆川さんが後悔するんですか?」
それでも彼女は容赦なく追及してくる。
弱い僕など知らないのだろう。
振り返れば、僕はベッドに戻ってしまう。
振り返れば、今の表情を見られてしまう。
理性も建前も放棄してしまいたい衝動をこらえ、拳を固く握る。
「香子さんがいるからですか?」
いきなり投下された名前に、もう出口の際に来ていた僕の足が思わず止まった。
心のどこかで抱き続けていた嫌な予感が的中したのを感じ、背中が冷たくなる。
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