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僕の全機能が停止した。
……今のは?
回想にしてはやけに生々しい声だった気がして、じっと耳を澄ませる。
しかし、彼女の声の空耳はそれきり聞こえない。
さきほどまでの回想も、勝手に順番を飛ばして喋っておいて、それきりストップしてしまった。
あり得ない。
絶対にあり得ない、と思うのに。
まるでいきなり消されたテレビを再びつけるように、回想を取り上げられた僕は、あり得ないと思いつつも続きを求めて振り向いた。
「……」
ただただ、目をひん剥く。
僕は重症を通り越して、終わっているに違いない。
こんなにリアルに見えてしまうなんて。
振り向いた僕の前には、僕が願った通り、彼女の亡霊が立っていた。
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