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だから二月の定例セミナーの当日まで、僕はかなり葛藤していた。
彼女は元気にしているのか。
副本部長はまだ異動していないが、こき使われていないだろうか。
雑用の分担については企画部長に一槍入れておいたが、ちゃんと解決されただろうか。
一目でも姿を見れば、まるで憑かれたようにしぶといこの不調が解消するだろうか、と。
セミナー当日、受付に講師が到着したとの連絡に、森田がファイルを抱えて立ち上がった。
先月は懇親会だったので僕も手を貸したが、今月から正式に主担当となった森田はやたらに張り切っている。
「課長!セミナー対応行ってきます。六時半頃に戻ります!」
勢いよく立ち去りかけた森田が足を止めて振り返った。
「課長も聴きに来られます?」
「そうだな……」
パソコンを打つ手を止め、時計を見る。
しかし、僕が答える前に森田が先走って決意表明した。
「無理っすよね。課長、最近忙しいし。大丈夫、立派に事務局務めてきますから!」
「ああ、安心して任せてるよ」
「仁科香子さんも来ますから、手が空いたら課長も是非!」
まるで見当違いな気を利かせると、僕に返事する間も与えず森田は張り切って出陣していった。
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