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彼女を連れ、タクシーでホテルに向かう。
タクシーは予め用意されていたかのごとく、到着するのが異様に早かった。
例の新米バーテンダーの気を利かせたような得意顔は無視しておいた。
最初の夜と同じホテルにしたのは、仕事上一番よく勝手を知っているという最初と同じ理由の他に、やはりこのバーで再び会えたなら次はそこしかない気がしたから。
そもそも、単に自宅まで移動する余裕がなかったのだが。
それでもわずかな距離のタクシーもフロントでのチェックインも恐ろしく長く、まどろっこしく感じた。
部屋に入るなり、僕は彼女の身体を捕らえて壁に押し付け、唇を塞いだ。
少しだけのはずが、止まらない。
レッスンではなく欲しいままに味わう唇は今までよりさらに甘く柔らかく、ぎこちなく応えてくる未熟な動きが僕の理性を狂わせる。
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