ずっと、僕の傍にいて

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奈都と再会してから二十日ほど。 早くも半同棲状態だが、即そうなった訳ではない。 最初、彼女をアパートに送って行く度にセキュリティの悪さやその他諸々でモヤモヤしていた僕は、ある夜、アパート付近で何やら叫びながら徘徊する酔っ払いオヤジを見かけて、ついに彼女の説得に踏み切った。 “大丈夫です!私みたいなのは滅多に狙われません” 相手は酔っ払いでしかも暗がりだぞという失言は危うく飲み込み、自信満々に太鼓判を押す彼女を強引に連れ帰った。 以来、奈都は週に一、二度、衣替えの服を取りに帰宅する以外は、ほぼ僕の自宅から出勤している。 会社からも駅からも近いし、設備はいいし、彼女も楽なはずだ。 ……と、言い訳をする。
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