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「結局、俺達も本当の太陽見れないんだよな。」
健太郎が天井を仰ぎながらつぶやいた。
日奈子達は、生まれてから死ぬまでこの環境で生きていかなければならないことが決まっている。
太陽系を離れて約300年。世代でいうと10世代ほど経過している。
あと何年この状態が続くかは政府から説明を受けていない。
恒星間移民船団。
これが日奈子達の乗っている宇宙船の船団の名前だ。
地球の環境が激変し、人類の生存が不可能と判断され、残された時間で移民することが決定された。
ただ、コールドスリープ技術が開発できなかったため、最低限の資源をリサイクルし、限られた電力で世代を繰り返して移民するという方法を取らざるを得なかったのだ。
船団の住民は、まだ何世代もかけて新天地へ向かい続けなければならない。
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