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私が欲しいのは、心の底から愛し合えるツイン・ソウルじゃない。
お互いの気持ちが分け合える、ベターハーフが欲しいのだ。
そんな男は、いつか出会えるかもしれないし、もしかしたら出会えないかもしれない。
「その前に、自分磨きかな」
私は手洗い場の鏡に写る自分を見て、そう呟いた。
私自身が、「この人の気持ちを受け止めたい」と思う人に巡り合った時、魅力的に見えるように。
そして、何よりも、「相手の気持ちを受け止める」ことができる、自分自身であれるように。
今日の帰りに、コンビニに寄って、ファッション雑誌を買って帰ろう。
そうして、男を落とす情報を集めよう。
本当はもっと若い頃にするべき努力を、私は三十代を超えた今になってしようとしている。
だけど。
妙にわくわくした気持ちになりながら、私は手を洗うと、また仕事へと戻って行った。
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