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ちょうどお客も途切れているから、チーフはひらひらと手を振りながら言った。
チーフに許可をもらった私は、エプロンを外しながら、トイレへと向かった。
セブンとは、トイレの隠語なのだ。
事務所のすぐ横に併設されたトイレに入ると、スマホを取り出す。
見合いをした相手の男は、結局、お互いの結婚に対する望みが不一致だったために、会っただけで終わったはずだった。
それなのに、何故にこんなに立て続けにメールを送って来るのか。スマホのボタンを操作している間も、メールの着信音は鳴り続ける。
『僕は、たとえ難しくても、僕のもとに来てくれる方を望みます。あなたには、無理強いはしません。よく考えてください』
一番新しいメールには、そんなことが書いてあった。
思わず、あっ?となってしまった。
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