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それを、最初は一人で地味にトイレ掃除から始めて、それから少しずつ周りの人達と仲良くなっていって、皆で協力して今の店にしていったのだ。
だけど、見合い相手の男には、「たかだかファーストフードの店員で、一生独身で終わるのは不幸」と思えるのだろう。
そうして、その「惨めさ」を実感させるために、私が仕事をしている時間帯にメールしてきたのだ。
ふいに私は思い付いて、スマホの電源を入れた。そして、
『私の気持ちは、昨日お話した通りです』
短くメールを打つと、私は送信ボタンを押した。
私は、私の気持ちをわかってくれる人がいい。
たとえ結婚して、今住んでいる場所や今のこの仕事場を離れなくてはいけなくなっても、それが「当然だ」と思わないで、「つらい思いをして手放すんだな」と思ってくれる人がいい。
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