魔王、社会に出る。

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働いてから約一か月。だいたいわかってきた。 「ちょっと魔王、アレやってくんね」 ここでは名前で無く、あだ名で魔王と呼ばれている。実際に魔王なんだけど。 「あ~やっぱスッキリするなこれ!さんきゅ魔王!」 我の人間の負のエネルギーを集めて放つ闇魔法はこんな感じで使われている。 この会社、クリエイティブカンパニーは社員独自のアイデアを形にして売る。 ここの社長が金持ちの息子という事でスポンサーに困ることはないらしい。 だから我みたいな得体の知れない魔王でも雇えたのだろう。 今は我は、経験を積むという事で先輩の補助をしている。 今取り組んでいる製品は「透視メガネ」というものだと。 レントゲン写真の様に見えるよう特殊加工レンズを採用したものだ。 「なあ魔王。これが完成したら俺らみたいな素人でも病状がわかるかもしんないんだぜ」 我の心を読む魔法では先輩の脳内にはレントゲンではなく女の裸体が上映されている。 先輩、鼻血でてますよ。 「い、いや違うんだよっ!これで女体の神秘の病状をあれでこうして〇#$%!」 あーなんかアホらしくなってきた。
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