よお!

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「よお!」 昼下がりの公園。後ろからかけられた言葉。振り向くと、高校時代の親友のカガミがいた。カガミは背が高かった。教室のドアに入るときはいつも屈みながらであった。もちろんカガミというのはそこからついたあだ名だ。本名は和多敬。僕が困惑してしまったのは、久しぶりに会った彼を僕が見下ろす形になっていたことだった。カガミは車椅子に乗っていた。 「カガミ!久しぶりじゃないか。もう10年くらい会っていないんじゃないか?!」 僕がそう言うと、カガミは僕が飲み込んだ言葉を悟ったかのように少し笑って言った。 「これ、3年前にちょっとな。お前は元気そうだな。」 「ああ、まあ相変わらずだよ。その、何だ。びっくりしたぞ。お前、随分背が低くなったじゃないか。」 僕は少し迷いながらも軽口を叩いた。 「ははは。なるほど相変わらずか。よかったよ。」 カガミはどこかほっとしたような、そして嬉しそうな顔を見せて笑った。
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