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隣で吐息が漏れた。
ここに誘ったのは浩一なのに先程から元気の無いその彼の為に、私は右手を伸ばして指を絡めた。
神様、お星様。
彼が何か不安を抱えているのなら私も半分背負います。だから、彼がずっと笑顔でいられますように。
心の中で手を合わす。
刹那、その願い聞き入れたと言う返事のように流れ落ちる一筋の星。
「あ……流れ星……」
一瞬の間に消え去った、儚いその光。
それが消えた方に、浩一が突然手を伸ばして空を掴んだ。
……?
「何、してるの?」
彼の変な行動に、つい笑みが漏れる。
「……何だと思う?」
その声に、緊張が混じっている。私だから気付く程度の、極僅かなそれ。
「えーっと……さぁ。分からないや、降参。何?」
「ふっふっふっ。流れ星を素手で捕まえてやった」
不適に笑う彼に、私も笑う。
「何よそれ。わけ分かんない」
「いや、本当だって!証拠もある。手、出してみて」
不思議に思いながら繋いでいない方の手を出す。
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