45人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ……どっちかって言うと、こう……かな?」
そう言って繋いでいた方の手を離して、彼の左手が私の左手をくるんと回して甲を上にした。
……?
「ほら、流れ星の欠片」
そう言って……。
……。
うそ……。
私の指には、星に照らされながら淡い輝きのダイヤモンド。
「俺と結婚してくれる?」
喉の奥がきゅっと締まって声がうまく出せない。
返事よりも先に嬉し涙がこぼれ落ちる。
彼にしがみつき、返事になら無い泣き声で漸く絞り出す。
「嬉しいよぅ。嬉しい……大好き」
「俺も」
そう言って涙を指で拭いながら、彼のキスが唇に降る。
目の端で、星たちがまるで私たちに祝福の拍手をするように瞬いていた。
了
最初のコメントを投稿しよう!